ハイパーバズーカの製作 番外編



今回は番外編として、ペットボトル弾(以降、PT弾)についての研究です。
夏のお披露目には間に合わなかったので その時はゴムボール弾頭のみの装備でしたが、
今回このハイパーバズーカの製作を記事にするにあたって、少しPT弾の研究もしようじゃないかと。
この先、どのような展開をしていくのか自分でも全く分かってはいませんが、果たして結果はどうなるのか?!
物理系ド素人のドタバタ劇、どうぞご覧ください。


で、PT弾の研究って何の事だ?と思われるでしょうが、要するに“飛距離を伸ばす方法”についてです。
PAGE2の下の方でちょっと触れましたが、距離を稼ぐのに必須の“羽”がまだ付いていないのです。

と、ここで実際に夏のお披露目&試射時に感じたことを少し。
下の図が、飛ばした時のイメージ。



ものすごく適当ですよ。

@、Aのあたりは猛烈な勢いで飛んでいきますが、Bのあたりで弾はヘロヘロになります。
ヘッドの形状と重量、加えて羽がない事が大きく影響しているのだと思われます。
Cにいたっては、ほとんど自由落下です。墜落状態。

まあ素人なりに考えて、とりあえず直進性能を上げるところからだろうと。
そうすれば飛距離も伸びて命中精度(注:良い子はマネしちゃダメ。ゼッタイ。)も上がるはず。
で、そのためにはPT弾自体を回転させるのが手っ取り早いんじゃないかと。
正直あまり多くの種類を試す気力も予算も時間もないので、この方向に絞って開発していきたいと思います。

そんなわけで実際に作ってみた4種類の試作PT弾を紹介しますが、どのPT弾が一番飛びそうか
ページの下の方に人気投票的なフォームを置いてみたので、ぜひ適当な妄想を垂れ流していただければと思います。
もちろん、ガチなご意見も歓迎ですよ。



TYPE−A
魚雷型

一般的なペットボトルロケットと今回のハイパーバズーカの違いは、筒内から打ち出すという点。
羽を付けるにしても、本体の筒の中に納まるような形状・大きさにしなくてはなりません。

でまあ何かないかと探し回って見つけたPC用小型ファン



これのフィン部分だけを取り出して付けてみたらどうかと。
何とかペットボトルの口の部分が通る程度に穴を開けまして。



ちょいちょいと接着して完成したのがこちら。





これをA型とします。
なんだかいい感じだが、果たして・・・?

― 製作者予想 ―
希望
フィンが綺麗に揃っているのでバランスがいい。
見た目が魚雷っぽい。
製作が楽。
不安
羽の部分にうまく空気の流れができるかどうかがカギか。
羽の直径がもう少し大きくてもいいかも。
羽の角度がちょっとキツイ気がする。
うまく廃品が見つかればいいが、新品からだとコスト高。



TYPE−B
展開型

上記A型の不満な点は羽がやや小さい事。
しかしこれ以上大きい羽根を付けると筒内に納まらない・・・。

となれば、これはもう羽を折り畳み式にして発射後に大きく展開するしかありませんな。

まずはどんな構造にするかを検討。
展開方法、羽形状、枚数、固定方法、材質など、ひたすら考えます。
一応の設計をして全体のバランスや加工方法なども目途がついたところでさっそく加工に。
まずは羽から。



3枚羽で。
左から順に、端材のアクリル板を切る→接着して厚みを稼ぎ穴をあける→ガイドに沿って曲げる
こんな感じで。
2つの穴は、羽の展開軸とバネを引っかけるのに使用
曲げるのは“アクリル板曲げヒーターの自作”で作った治具で。
ガイドラインは少し斜めにして、風の向きを変えるようにしてみました。
バネを引っかけるネジを付けたのがこちら。



羽の左側下辺が白っぽくなっているのは、少しでも風の流れを良くしようと斜めに削ったから。
色々と思うところはありますが、とりあえず羽の加工はここまで。

次は羽を固定するベース板の部品。



これは百均で見つけたごますり器の一部を利用したもの。
しかしどうにも径が小さくて構成が難しかったのでボツに。



同じく百均で見つけた、バケツを模した何かの入れ物?
とりあえず加工してみましたが、どうにも柔らかい。
あと、径が大きすぎて羽を収納するスペースがない。
というわけでボツ。



これはガーデニングソーラーライト。
バラした状態の赤丸の部品を途中まで加工してみたものの、意外にもろくて途中で割れたりしたのでこれもボツ。



そしてようやく見つけたのがこちら。
襖の取っ手部品、とでも言うのか。
硬質プラスチックかと思いきや薄い金属板。
コイツを設計通りに削って穴あけて。



手が切れそう。というかちょっと薄いな・・・。
これに展開軸となるネジと、ストッパーになるネジを固定。



バネの付いてる方が展開軸です。
バネはキックバネというタイプを使用。



このバネの90°タイプで。
力は弱くてもOK、のはずですが果たして?
とりあえずは、容易に3個入手できたこれでやってみます。
ちなみに、結構いい値段だったりしますよ。
で、羽を組みつけてみたのがこちら。



形が見えてきましたね。
これをペットボトルに装着します。



おお。
割と苦労したので、少し感動。
ただ、ちょっとベース部品が薄すぎた。
もっと厚みのある板で、余計な部分は削ってしまえるくらい強度を出した方が良かった。
あと、横から見た写真で使用しているのは 飲み口が細くなっていくタイプのペットボトル。
こういったタイプを使えば羽部分をもっと広く取れたのだ、という事に加工後に気づいたのでした。
それから肝心の、筒内に収めた状態がこちら。



そっと入れれば落ちてはいかない程度にバネが効いてます。
もっと弱くてもいいかな、という感じ。
まあとにかく、これでB型の完成。

― 製作者予想 ―
希望
見た目がかっこいい。
ロマンに溢れてる。
夢と希望がつまってる。
不安
発射から筒を飛び出すまでの間、羽の先が筒内を擦っていくので推進力のロスになる。
装弾ハッチの段差に羽が引っかかるとたぶん壊れる。
ベース板の余計な部分が空気抵抗を増すのでは?
(この試作型は)羽が小さすぎる感じ。
(やっつけ仕事だったので)精度とか羽のバランスが悪い。
全体的にちょっと弱い。落ち方が悪ければ一発で壊れるかも。



TYPE−C
バッフル板5型

上記2タイプはボトルの外側に取り付けて、風を切ることで弾本体に回転を与えようという考えですが
自分としてはこのC型が本命だと思っております。
それは、噴射する水・空気自体を制御することで本体を回転させようという方法。
具体的には、噴射口を2分割してそれぞれ逆方向に噴射させれば回るんじゃね?と。
そのために試作してみたのがこちら。



スパイラル形状のバッフル板。
ボトルの口の内径より1mmほど広く切ったアクリル板を“アクリル板曲げヒーターの自作”の冶具で全体を温めて両端をねじって製作。
だがこれがなかなか難しい。
素直に市販品を購入した方が良かったか。
とにかく冷えて固まった所で、幅を削ってボトル内に入るように調整したのがこちら。



どこまで突っ込んだほうがいいのかとかは全く分かりませんが、あまり関係ないような気もします。
で、今度はコネクター側に差し込まれる部分ですが、板をさらに細く削り込まなくてはいけません。



入るようにはなったものの、芯が出てない・・・。
ねじって作った時点で中心軸がぶれているという事だなこれは。
再製作するしかないか・・・。中心軸をまっすぐ保ったままねじる方法は・・・。

といろいろ考えましたが、ここで上記の“バッフル板をどこまで突っ込むか”という疑問を思い出しまして。
結局、ボトル内の水にどんなに螺旋の流れを与えても あの狭い噴射口で全て無駄になるんじゃあないか?
だったら噴射口の所でだけ、ちょっと向きを変えてやれば同じ事じゃあないか?
と、こんな結論に達しました。
でさっそく噴射口の外で制御するような形状に設計変更。



こんな形にアクリル板を切り出します。



実際にコネクタ部品に差し込んでみると、こんな感じに。



次にアクリル板先端のちょうど中心に切れ目をいれて、下写真のように温めます。



こんな感じに。
柔らかくなったら、同じ角度になるように注意しつつそれぞれ逆側に折り曲げます。



角度的には5〜10°位でしょうか。
このC型は、かっこよく書くと“推進力の何割かを姿勢制御に割り振る”という考え。
つまり噴射の向きを変える時点でいくらかのロスが出ているという事。
どのくらいの角度がいいのか考えてもわからんので、とりあえずこの位で。
そしてこれをコネクタ部品に差し込んだ状態がこちら。



これを接着剤で固定して、C型の完成〜。

― 製作者予想 ―
希望
すごく、シンプルです。一番理想的なのでは?!
不安
推進力にどれくらいのロスが出るか不明。
加工の精度が悪くて左右のバランスが取れてないと悲惨な事になる予感が。



TYPE−D
バッフル板40型

さて、上記C型の考え方は(自分では)悪くないと思っているので、ちょっと角度を変えた別バージョンを作ってみました。
それがこちら。



この写真の下側のやつです。
40〜45°くらいか。
正直、ネタ枠という気がしないでもありません。
まあC型と比較するために角度を極端にキツくした物、というわけです。
これをコネクタ部品に差し込んだ状態がこちら。



噴射口の面積自体も狭くなるんだな・・・。
C型のと見比べると、“噴射口から何mm離れたところで曲げるか?”という点も結構重要な気がしますね。
こちらも接着剤で固定して、D型の完成〜。

― 製作者予想 ―
希望
どれだけ回るか楽しみな一品。
不安
角度付けすぎで飛ばないでしょこんなの。





さてさて、以上4種類のPT弾を実際に撃ってみて飛距離を比較するわけですが、
以下のフォームにて人気投票的な事をしてみたいと思います。
一番飛びそうなPT弾のタイプ(A〜D)と、その理由をお書きください。
また、選ばなかったPT弾についても、“飛びそうにない理由”などあればぜひ。
まあ正解したからと言って特に賞品などありませんが、正解者の発表とかするかも。
それと、回答頂いた内容もいずれまとめて載せたいと思いますので、ご了承ください。
期間は、2018/1/31まで延長させて頂きます。

投票は終了しました。 ご協力ありがとうございました。



ああ、それともう一つ。
動画編集の勉強も兼ねて、この人気投票のPR動画など作ってYOUTUBEに置いてみました。



ちょっとハードル上げすぎたかな、と絶賛後悔中。
そこから来た人もいるかもしれませんが、あんまり過度な期待はしないようにお願いしますよ。

さて次回はいよいよ完結編。
完成品のお披露目と射撃の様子、PT弾人気投票結果などまとめてどーんと、
・・・出来たらいいな。




もうちょっと続くよ!










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