サス+ステア+αに挑戦(11)




前回の続き。

要するに何か?というと、(2)で作ったこの部品↓

このピニオンギヤ

ちょっとタイヤに触ったりして軽く負荷をかけてやると、ピニオンギヤが空転してしまう、
という現象が確認されたわけです。
まあピニオンギヤ自体が そもそもモーターシャフトに合うような径でできているわけで
いつかこうなる事は予測できたのですが・・・。

まあそんなわけで、同様の工法をした合計4か所について対策を考えてみます。

まず試してみたのが、シャフトを少し潰して無理やりギヤに引っかけられないか、というもの。
中空シャフトを使ってやってみたのがこちら。

シャフト潰し

結果としてはNG。

シャフトの潰していない方からギヤを嵌めると、このシャフトの形のまま
楕円形にギヤが膨らんでしまいました。
まあ当然だって事で、今度は潰した側から嵌めてみたのが上の写真。
シャフトを切断した時のままで、切り口が尖っていることを利用してギヤの穴自体を
楕円形に削り拡げてみようという作戦。
多少膨らんだものの、まあ許容範囲に収まったので 試しに回してみると、普通に空転してくれます。

んーダメだね。

その他の案としては、ノーマルシャフトの6角に ニッパーで切り込みを入れて持ち上げ、
釣り針の“カエシ”みたいな形をいくつも作ってギヤに食い込ませたらどうか、とか。
これも効果や耐久性を想像するとイマイチか・・・。

とまあ良い策が思いつかず、しばらくは打ちひしがれた日々を過ごしていました。

そんな時、ふと思い出しました、アレの存在。

真ちゅうピニオンギヤ

即購入。真ちゅうのピニオンギヤ。
こんなのあったなー、すっかり忘れてた。

というわけで、さっそく上述の潰しシャフトを打ち込んでみる!

ポンチを使って、潰してない側からの挿入を試みます

みる!

・・・。

見事に楕円に変形しましたとさ。

・・・。

いやいやいや、まだ終わらんよ!
むしろここからが本題。
材質が樹脂から金属に変わった事で可能な工法。

それは “はんだ付け”!!

意地でも完成させてやる。

まずギヤの穴とシャフトをヤスリで荒らして、少しでも喰い付き易くします。

荒らし

ギヤをはんだごての先に突っ込んで、しばらく予熱。

予熱中

縦に置いて熱を加えつつ、穴にはんだを流し込むようなイメージで。

溶鉱炉

、 ラジオペンチやら何やらでうまく固定しつつ、素早くシャフト(もちろん潰れてないやつ)を打ち込む!

打ち込み!

はんだが固まる前に打ち込められれば成功。

難しい

それでもほとんどがギヤを貫通する前に固まってしまうので、
シャフトの長さを測りながら、良いか悪いか判断します。

完成

かなりの難易度。

下側のが最高にうまくいった状態。
6角シャフトの平面部とピニオンギヤとの隙間から、糸状に固まったはんだが飛び出してます。

この後、先端を削ったり はみ出たはんだを取ったり 長さを調節したりして、再び組み付けたのがこちら。

再組付け

再組付け

ガッチリと喰い付いてます。
これで空転現象ともおさらば。
光り輝く最新型ユニットの誕生です。

とはいえ、当然デメリットもあります。
一番の心配は、これらと噛み合うオレンジクラウンギヤ。
確実に寿命は縮むでしょう。
駄目ならまたその時考えます。


さてさて、一時はどうなる事かと思えた今回の修正ですが、何とか形にすることが出来ました。

いよいよ次回、ギヤカバーとかボディとか、あ あとローラーも加えて完成となる“予定”でございます。

お楽しみに!




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