スライド式バックモニターを作ってみる その1



今回の製作品は、スライド式のバックモニターでございます。
前作のフリップダウン式がどうにもうまくいきませんで。
で、縦に引っ張り上げるのが無理なら、横から出してしまえという・・・。
これまでの教訓を活かしつつ、実用性にすぐれた品を作れたら良いのですが。
果たしてどんな結末を迎えたのでしょうか。


まず仕様としてはフリップダウン式の時と同じで、モニターの収納方法を変えるだけ。
とりあえず、実際にどんな構造にするかをスケッチしたり 色んな所の寸法を測ったりして、悩み倒します。
ひたすら悩んで最終的に選んだのは、ギヤ&ラック+ミニギヤボックスで 出したり引っ込めたりする構造。
これなら負荷も少なくて済むのではないか、という考えです。

大まかな方向性が決まったら、使用する部品の選定を。
一番の難関は、スムーズなスライド。
長期の使用に耐えつつ、コンパクトで静かで負荷の少ない構造で。

最初はアルミのアングル材+戸車みたいな何か、で考えていましたが、
どうあがいても“静か”と“コンパクト”を満たすことは無理っぽい。

そこで目を付けたのは引き出し式テーブル(パソコン用テーブルのキーボード部分とか)等に使われてるスライドレール。
その線で色々と調べてみますが、大きすぎるとか左右一対で使用とか なかなか望む物が見つかりませんで。
なんとかたどり着いたのがこちらの品。



スガツネ工業さんのアルミ合金製リニア型ミニスライドレール。
いやはや まさに理想の一品。

モニターの横幅が約120mmなので、ルームミラー裏に隠れた状態から完全に見える位置まで動かすには
最低でも120mm以上のスライド距離が必要。
多少長いぶんには リミットスイッチで止めてしまうので問題なし。
とか、そんな感じで仕様を決めて注文します。
こちらはモノタロウさんで購入できます。

次に、ギヤ&ラックの選定を。
それほど負荷がかかる使用方法ではないので、個人でも購入できる範囲で とにかく省スペースなものを探します。
そして選んだのがこちら。



小原歯車工業さんの成形フレキラックと専用ギヤ。
2000mmが定尺ですが、このうちの200mm位しか使いません。

他に定番のミニギヤボックスとアルミの材料等を購入し、使用する部品が揃ったところで設計、加工に進んでいきます。

まずはCADソフトとか使いながらパズルのような設計をして、なんとかルームミラー裏のスペースに収まりそうな形を探ります。



組み立て図風に描いてみた。

設計ができたら、ホームセンターで入手した3mm厚のアルミ板やアングル材を加工して部品を揃えていきます。
一通りの加工が終わった状態がこちら。



専用ギヤの軸径はミニギヤボックスの軸よりもかなり太く そのままでは芯が出ないので、
TAMIYA工作シリーズの部品を使います。



この部品の裏側の出っ張りがちょうどギヤ穴にハマる感じなので、それを利用して芯出し。
ギヤの凸部を切り取ってタップを切ります。
余計な部分も切り取って。



まあ大丈夫でしょう。

そしたら、アルミ部品は黒く塗装してしまいます。
一応、外から見ても目立たないように。



はい、雑です。
気泡とか付きまくってる部品もありますが、見えなくなる所は手を抜きます。
違うギヤボックスが写っていますが、気のせいです。

とりあえず今回はここまで。
次回はこれらを組み立てていきます。




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