ETC取り付け2



CY−ET909KD(Panasonic)

今回はちょいと長丁場ですよ?
本体取り付け編です。
L字のステーを使って、センターパネル裏の2ヶ所の穴に取り付けます。

取り付けるんですが・・・。
普通に付けても面白くないわけですよ。
ただ付けるだけなら、もうスデに何人もの方がやってらっしゃる。
そんなのネタにもなりゃしない。

どうするか。
ここはひとつ、ETC本体をじっくり眺めてみましょう。


〔会議中〕

ん〜、ボタンとか文字(スタンバイ・エラー)が本体上面に書いてあるから、
真正面からは見難いかもなあ。
蓋開けると自動的に飛び出すってのはどうだろうか?

うん。じゃ、それで。

〔会議終了〕


というわけで、可動式のステーを作ることに決定しました。
まずは脳内で仕様をまとめます。
どういう構造で、どういう動きにして・・・。

で、とりあえずスライドさせるための“レール”(以下、レール)を作ってみることにしました。
市販のL字型のステー(以下、L字)をパネルに取り付け、そこに コの字型の部品(以下、コの字)を乗せ、
そこに本体を固定した台座を嵌め込んで、スライドさせようという考えです。
で、とりあえず作ってみたのがコレ。

ステーは市販品。コの字はアルミ材で1m買い。
余りまくりです。

コレを組み合わせて・・・

L字の先端をカットして、パネル取り付け用のネジ穴は
Φ5.2mmに拡張。M5皿ネジでパネルへ固定。
アルミは穴あけ&ヤスリの手加工。

簡単にドン!と写真を出しましたが、試行錯誤の賜物でございます。
写真に写ってない所でも、リブをカットしたり削ったりしています。

で、ちょっとミス。
パネルの取り付け穴とL字の穴のピッチが違う事に、気付かなかった。
当然の如く、段差になるわけです。

どうにかなるさ〜

まあどうにでもなるし、いいか。

次に、本体を取り付ける台座(以下、台座)を作ります。
苦労の過程は省いて、できたのがコレ。

L字型のアルミ材を1m買い。これまた余りまくり。
中の2枚の板は、一体で作ったほうが楽ですよ。

簡単にドン!と写真を (略) 賜物でございます。
付属のステーを使ってみたり、あーしてみたり、こーしてみたり。
やっとこの形に落ち着きました。

で、前述の段差を この台座で吸収しています。

写真左側のコの字とL字の間にスペーサー入れて
水平にしといたほうが楽です。どう考えても。

他の部分で段差を解消したほうが楽だし、余計な手間が増えただけのようですが。
まあ色々理由がありましてね・・・。

さっそく組み合わせてみます。

スイスイ。

微妙な調整をして、スイスイ動くようになりました。

次に、台座の落下防止と、レールのズレ防止と、レール後端の広がり防止の為に、後ろ蓋をします。

かなり適当です。

簡単にドン!と (略) ございます。


さてさて、ここまでが第一段階です。
ここからは、台座をスライドさせる為の機構を考えていきます。

ETC本体が、パネル蓋の開閉に連動して動くのが目標です。
方法はいくつか考えられますが・・・。

1.パネル蓋の動きを利用したクランク機構を構成する。
2.モーターとスイッチを使って自動で出入りさせる。
3.パネル蓋を開くと、バネで飛び出す。手で押して収納。

3番はなんとなく却下。
2番が最高にカッコイイけど、ノイズ対策とかどうなんだ?ってことで辞退。
無難に1番で。

そんなわけで、全てバラシて追加加工。
レールに長穴を掘りまして・・・。

この長穴はフライス加工しました。
後日、上方向に広げています。

台座にタップを追加しまして・・・。

穴加工、タップ加工は全てボール盤・タップ盤で。

新たにクランクシャフト部品を追加して、再組み付けしてこんな感じ。

後ろ蓋でレール幅の調整とかしてます。これがないと
L字とパネルの取り付けがネジ1本だけなので、レールが
回ってしまうわけです。

さあ、どうでしょうか。どうでしょうか。
ネジに付いているリングみたいなものは、ボールチェーン用の止め具です。
これについては後ほど。
微調整をして、クランクシャフトでも軽く動かせる事を確認して、第二段階終了です。

実は当初から一番心配をしていたのは、スムーズな動きができるかどうか、という事でした。
変にガタついたり、食い込んで動かなかったりしないか。
こういうガイド式じゃあなく、レール式はどうか?
戸車やキャスターを利用できないか?
などなど・・・。
今回は、運がよかった、結果オーライって感じですね。
まあ、やってみるもんです。


ここから、第3段階に突入しましょう。

今度はパネル蓋にクランク部品を取り付けます。
と、簡単に書いたものの、これがまた難しい。
固定する方法が思いつかぬ・・・。
ここでまた試行錯誤が繰り広げられたわけですが、とっとと結果に行きましょう。
はいこれ。

アルミ材をフライス加工。
どうなんだこれ・・・。

小さい部品です。アルミ製。もう作りたくない。
パネルに収まるように削ったりしてるので、見た目はイマイチですね。
パネル蓋には、M2ネジx3 + 超強力接着剤で固定しています。
とはいえ、ご覧のようにタップの有効深さはパネル蓋の肉厚そのままなので、
あまり負荷をかけすぎると・・・。
何か対策を考えるとしましょう。


で、見てわかるように、このままではパネル本体に戻せません。
ピンを嵌め込む入り口が、狭まってしまったためですね。

ん〜〜〜〜。

切っちゃえ。

軸穴加工もした後なので、汚いです。
結構キズついてるし・・・。

で、代用できそうな部品をMyジャンク箱を漁って探したところ、こんなん出ました。

ミニ4駈のパチモンみたいなヤツでした。
前後輪に駆動を伝えるシャフト受け部品だったかと。

車のプラモデルのパーツのようです。
こいつを試しにパネル蓋に突っ込んでみると、シックリはまって動かない様子。
その方が都合がいいかも。
必要な長さにカットして、穴径を大きくして、パネル蓋に埋め込む感じで。
さらに隙間にアルミ材を詰め込んだりして、周りをガチガチに固めて、
見えそうな所は黒く塗って、こんな感じ。

かなり適当な作りですが、強度の不安は解消です。

これで かなりの強度アップが期待できます。
見た目は悪いですが、最終的に隠れるところはどんどん手を抜きましょう。

次に、パネル本体側の軸受け部をナットの厚み分だけ薄くします。
そこでナットを挟み込むようにして、パネル蓋を戻してネジどめ。
このネジが軸になります。
貫通させて、反対側の根元にも突っ込んでおくのがベストでしょう。

閉じたところ。見難くてすいません。  開いたところ。見難くてすいません。

・・・などと簡単に書いたわけですが・・・。
やっぱうまくいかねっす。

芯がうまく出ない・・・。
芯がズレてると、蓋を閉じたときにツラが合わない&スムーズに動かない、という
ダメダメ状態に陥ります。
しかもこれ素材が柔らか〜いので、あれこれやっているうちに、

プチッ!

取れちゃった・・・。

・・・・・・。

まあ取れちまったものはしょうがないってんで、新しく軸受けの部分を作る事に。
色々検討した結果、アルミ板を加工して軸受けとし、 調整代を持たせながらネジ止めする方向に決定。

さっさと周りをキレイに?削ります。
彫刻刀が大活躍。
で、どこに固定するかが最大の争点となるわけですが・・・。
結果はこんな感じ。

適当の極み。見えない所はどうでも良いのですが・・・。  無念の妥協。後でネジ頭を塗りました。

“外からは見えない”を最大の目標にしながらも、 良い場所が見つからず無念の妥協。
蓋を開けなければ見えないとはいえ、不本意な結果でございます。

さて裏側についてですが、見えないからって手を抜きすぎですな。
軸受け部品は、現物合わせしながら 途中で捻ってあります。
軸受け部品取り付け面とパネル蓋の回転軸が面直じゃありませんで。
白い部品は、前述の代用品の余り。
ネジのピッチが近すぎてナット締めが大変なので、スペーサーとして利用してます。
調整を済ませて、ラクラク開閉を手に入れました。

さて、とっとと先に進みましょう。

ここまでの時点で、台座のスライド前進端、後進端、パネル蓋の軸位置、回転角度等が判明しているので、
クランクシャフト部品も含めて ちゃんと計算しました。

ちゃんと計算してます。データは残っていませんが・・・。
DXFデータとかアゲた方が良かったのかな?

この寸法で、クランク部品延長部を作ります。

穴あけ以外は手加工です。

これまた小さいアルミ部品です。もう作りたくない。
これを、前述のパネル蓋に取り付けた部品にネジ止め。

・・・写真忘れた。

まあとりあえず、クランク部分は完成かな、と。


そして、次の段階。
クランクシャフトの取り付けです。
ずっと上のほうの写真に写っていたクランクシャフトは仮部品。
図面どおりに作り直したものと交換します。

ここで、ボールチェーンの止め具が登場。

もうちょっと強いバネでも良かったかも。

ここにバネを渡して、ETC本体が飛び出す動きを補佐しようと目論んだわけです。
それと、ETCカードを差し込む際に 本体が引っ込んでいってしまうのも防げればな、と。
今回、ステンレス製の引きバネ(線径0.3mm、外径3mm、長さ20mm)を使用してみました。

これらを組み上げて・・・。

閉じたところ。  開いたところ。
何ていうかもうちょっとこう・・・。

完成の一歩手前〜!
さあどうでしょうか。

前述の図面を見ておわかりのように、一番 引っ込んだ時に、
クランクピン位置がピストンピン位置よりも下に来るように設定してみました。
こうしないと、パネル蓋を閉じている部品(ローラーキャッチ?)だけで、 ずっとバネを抑えている状態になってしまいます。
また、バネの力がそのまま台座をロックするように働いて振動防止になれば、という狙いもあります。


いよいよ最終段階。
スムーズに動くことを確認した後、台座にETC本体を貼り付けます。
台座が引っ込んだ状態で、パネル蓋に当たらないギリギリの位置。

この大きさが精一杯かと。

でないと車体に収まりません。

これでひとまず完成!

最終的なストロークは、約12mmです。
真上から見ると、あまり“飛び出した!”感じはしませんが・・・。

閉じたところ。

開いたところ。
小さくカション!って聞こえます。

車体に取り付けてみたのがこちら。
スタンバイ・エラーの文字がちゃんと見えます。
調整&部品寸法によっては、最大で25mm位はいけると思いますが・・・。
まあ、これだけ出れば十分でしょう。

ちなみに、背面のコネクタ位置はこの高さ。

結構ギリギリですかね。
違うETCで挑戦される方はご注意を。

左右でレールの高さが違うのがわかります。
ケーブルにはチューブを被せて、金具と擦れて断線しないようにします。

参考までに、最終寸法を載せておきましょうか。

あくまで目安。
ETC本体のサイズにも注意が必要です。

あくまで目安の寸法です。 これより大きいと、車体に干渉して 収まらないかもしれません。


さてさて、いかがだったでしょうか?
ここにはあまり書いてないですが、いろんな所を削ったり切ったりしてます。
ネジ止め部はスプリングワッシャーを挟んだりして、脱落防止に気をつけました。

もしこの記事を見て
「自分もやってみよう!」
と思ってくださった方が一人でもいれば幸いです。

・・・いないか。

でまあ、
“あーすればよかった”“こういう構造にすればよかった”
なんて、素晴らしいアイデアに 終わってから気がつくのも またいつもの事・・・。

そんなわけで本体取り付け編は終わりですが、もうちょっと小ネタが続きます。


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