ミニファミコンの改造 その2



さてさて、その1でも書いたように最終目的はミニファミコンのインチキポータブル化
ここで仕様をまとめます。

・電源はDC12V。
・取っ手付きのケース内に本体とコントローラー5本、各種接続ケーブル(HDMI・ビデオ・コントローラー延長)ACアダプター・専用モニターを同梱し、完結させる。
・接続の手間は極力少なくし、とにかく簡単に遊べるように。

こんな感じでしょうかね。

まずはケースの内寸を大雑把に測って、本体カバーを設計します。
構成はアクリル板3枚+その角を繋ぐアルミL字材3本。
ケースの内面を利用する想定で、3面だけの構成としました。
上面には各種のコネクターを装備し、全ての要望にお応えします。

で、できたのがこれ。



なんとか 170mm x 60mm x 150mm というサイズに収めることができました。

こちらが上面の写真。



専用モニターへの接続端子はD−SUBの9ピンコネクタを使用。
信号はビデオコンバーターをバラして中の基板から直接取出し。
ノイズなんぞ気にしない。
専用モニターを少し離して置きたいって場合に備えて、延長ケーブルも用意。



RS−232C延長ケーブル。
レガシーな規格ではあるけども それなりに需要があるらしく(工場とか)生産は続いているようです。
いつものごとくジャンクコーナーで新品未開封モノを入手。
固定ネジ部分をちょっと細工する必要はあったものの、遠距離にも対応です。

電源スイッチは押すと光るタイプのボタンなので、コンバーターの5V出力をまた分岐させてここのLED用に取りました。
リセットボタンはただの押しボタンスイッチ。
(ちなみに ボタンを押している間だけON状態になるものを「モーメンタリ式」、ボタンを押した後に手を離してもON状態を保持するものを「オルタネイト式」と呼びます)
電源スイッチ、リセットスイッチ共にミニファミコンのサブ基板に接続します。



正規の電源スイッチは“スライド式”で2回路2接点ですが、実質1回路2接点的な使われ方。
実際にミニファミコンを動作させて電源を切ってみると、どうやら電源OFF後にも終了処理をしてるっぽい。(“hakchi2”の動作かも?)
つまりは、スイッチの[NC側](OFFに値する端子側)も接続する必要があるようです。

リセットスイッチ(写真右)は導電ゴムを使用したタイプ。
どうしようか悩みましたが、写真の所を削ってパターン露出からのはんだ付け&ホットボンド固めという最も楽な工法を採用です。

ビデオコンバーターUSBハブの表面はそのまま使いました。
USBハブは4ポートですが1口だけ横面になっているので、これを使って増設。



デスクトップパソコンの背面にセットするUSBメスx2、SATAの接続部品。
これまたジャンクコーナーから110円で保護。
USBメスは1口あれば良いので、片方は切り飛ばしました。
ケーブルを切断して、USBハブの基板に直接はんだ付けです。



これは正面から見たところ。
図示した位置にミニファミコンの基板を固定しています。
この奥にUSBハブ・ビデオコンバーターが重なっていく感じ。



これが側面。
DCコンバーターを固定しています。
1P・2Pコネクタは、ここから出ています。



コネクタ基板をアクリル板側面に直接セットしようかとも考えましたが、ケーブル長を優先しました。
Wiiメスコネクタ部分はタカチの小さいケース(SW-40)を2個入手して内蔵。
1P・2Pが一目で分かるように色を変えてみましたが…黒で統一したほうが良かったか?



こちらが裏面と言うか、ケース外側から見たところ。
ごちゃごちゃしています。仕方ない。



さて、実際にはこれだけでプレイ可能なのですが、当初の目的はポータブル化。
1つのケースにコントローラーや接続ケーブルを同梱して、完結させることです。

こちらが今回使用する持ち手付きのケース。



中身が入っちゃった状態の写真なので黒っぽく見えてますけど。
で、このケースの底面に突起を付けます。



ただのL字金具を3個。
アクリル板をここに差し込むだけ。



計算通り。ピッタリ。
特に固定はしていません。
で、専用モニターをどうするかと言うと、



計算通り。ピッタリ。

空いたスペースにコントローラー5本と各種接続ケーブルを詰め込めば…。



完成!
なんとか形になってよかった。
あ、写真には写っていませんが、簡易的な配線図・各パーツの説明書・収録したゲームの裏技集などをハードクリアファイルに入れて一緒に収めています。



とまあそんなわけで、せっかく作ったのだから屋外へ持ち出してみようじゃあありませんか。
電源はこちら。



“災害時用ポータブル電源BOX”(未執筆)
二輪車用シールドバッテリー内臓で、DC12V・USB5Vの出力端子を装備。
停電時や災害時にきっと役に立つ!はず。たぶん。
で、これと専用モニターをセットすれば、どこでもプレイ可能だ!



岸壁でスト2。



公園で桃鉄99年。

良い時代になったもんですねぇ。
あ、画面が暗いのはモニターのせいです。



では最後に、気になる点をダラダラと…。

・USBメモリーの件
どうにもうまく認識してくれないので、これを解決したい。
・L1ボタンの件
これも原因不明なのですが、デフォルトでL1ボタンだけ覚えてくれません。
電源を入れた後に再設定できるので認識はしているようなのですが…。
・モニタースタンドが無い
完成写真左上にある変な形のものは自作のモニタースタンドですが、どうにも出来がイマイチなので新規に作り直す予定です。
・シール貼る
シール作るの忘れてた。POWERとかRESETとかのシール。
・1P/2Pコントローラーが欲しい
今は無きクラブニンテンドーの交換商品(非売品)として、Wiiスーパーファミコンクラシックコントローラーというモノがあるようです。
簡単に言うと、Wii用のスーファミ型コントローラー。
これが2個入手できれば、5本揃ってスーファミ型のコントローラーになるのでスッキリ!なんですけどね。
・もっと性能の良い小型モニターを
そもそもこれがあれば、こんな苦労はしなかったのである。



あと、備忘録的なメモ書きで残しておきます。
5人プレイ時のコントローラー接続について。
1.メニュー画面で、1P/2Pコントローラーを接続。3P〜5Pコントローラーは外しておく。
2.遊びたいゲームを起動してから、3P〜5Pコントローラーを接続する。
こうしないと、認識しないっぽいです。
以上。



さてさて、如何だったでしょうか。
年に2回ぐらい稼働するかどうか…といったシロモノではありますが、一つのケース内に全てが収まっているので急に遊びたくなった時でも安心!
アレがない〜コレがない〜って探し回っているうちに面倒くさくなって辞めちゃったり、なんて事もありません。
実はこれが一番のメリットだったりするのはここだけの話。
何にせよ、面白かったからヨシですよ。




さて、次は何を作ろうか…。





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