ドラム缶風呂の製作




今年の夏は暑いですねー。
夏と言えばキャンプ!
キャンプと言えば風呂!
というわけで、ドラム缶風呂を作ってみました。

昔ほど頻繁には行けなくなりましたが 管理人は野営好きなのです。
そんな自分の憧れの一つが、ドラム缶風呂。
キャンプに行って、ゆっくり湯に浸かりながら星空が見れたら最高じゃないですか。
というわけで その夢を叶えるために這いずり回った、おっさんの記録をご覧ください。



このドラム缶風呂、何といっても最大のネックはドラム缶の入手。
一応モノタロウあたりで1万円前後で新品を購入できるようですが、なるべくなら低予算でいきたいところ。
ガソリンスタンドとかで入手する方法もあるけど、蓋をあけたり中の油を洗浄したりするのがとにかく大変らしい。

で ある日、会社に出入りしている業者さんにそれとなく聞いてみたところ

「あ、いいっすよ。」

快く譲って頂けることに。聞いてみるもんだ。

もともとジュースが入っていたらしく内側は綺麗なもの。蓋無し。
まさに理想のドラム缶を手に入れた自分。
どうやって自宅まで運ぼうか、なんて心配も無用。
アイシスさんなら、余裕で積めるのだ。



そんなこんなで、とうとう我が家にやってきましたドラム缶。

きれいなドラム缶

まずは排水口の加工からいってみましょう。

そもそも排水口が必要なのかって話ですが、中の水の量は満タンではないにせよ かなりの重量になるわけで。
石のゴロゴロしてる河原に設営した場合、スムーズに傾けたり移動したりなど 到底無理な話。
そりゃあ傷も凹みも気にせずドラム缶をそのままブチ転がせば 中の水は捨てられるけれども、
なるべく長く使いたいのだから 手荒な真似はしたくないわけです。

そんなわけで、用意したのは21mm径のホールソー。

ホールソー

amazonでも購入できます。
ドラム缶の加工なんて初めてですが、まあとりあえずやってみましょう。

あっさりと

あっさり開いてしまった。しかもキレイに。



お次はサビ対策を簡単に。
使用したのはこちら。

KURE[呉工業]耐熱ペイントコートシルバー(300ml)金属パーツ用耐熱塗料

KUREの耐熱ペイントスプレー。
きれいなドラム缶とはいえ、フチの部分など所々にサビが目立ちます。
で、適当に新聞紙で覆いをして、こんな感じ。

塗装

先ほど開けた穴の断面とその周りも一緒に。
で、スプレーかけまして。

乾燥後

ちょっとズレた。でも気にしない。



乾燥したら、内側にザルボ、外側にボールバルブ&ホースニップルを取り付け。

排水口

ドラム缶の面は当然Rが付いているので ゴムパッキンをはさむわけですが、
実際 この部分の温度がどのくらいになるのか予想もつきませんで。
設置するときに直接火がかからない場所に持ってくるのは当然として、保険として穴位置を気持ち高めに設定。
もちろん、お湯がこれより少なくなったら排水できないわけですが、この位の量なら簡単に傾けることができるはず。
それから何故ホースニップルを付けたのかと言うと、少しでも遠くに排水するため。
完全に撤収する場面ならいいんですが、一時的に湯の量を減らしたい時などにバルブからそのまま排水してしまい
火床に湯が流れ込んで、もう一度火を点けるのに苦労した、なんていう状況を避けるためです。



次は底板。
ドラム缶風呂は直火で温めるので、これがないと熱くて入れない。
らしい。入ったことないからね。

底板

そんなわけで、こんな感じ。
仕事が雑だな。

市販の大きいスノコから丸く切り出すか、自分で寸法決めて組んでくか、のどちらかになりますが、
今回はホームセンターで檜の端材が安く手に入ったので、最初から組んでみました。
一本だけ向きが違う配置になっているのは 寸法が足りなかったから。
何カ所か割れているのは、下穴の径が細すぎたからです。



さてお次は、椅子を作ってみましょう。

用途としては、ドラム缶内部に据え置いて 入るときの足場兼 入浴時の椅子として使用する物。
実際にカラの状態のドラム缶に入ってみると、かなり狭い感じがするんです。
足をうまく曲げても胸までしか浸かれないんじゃないか、的な。
そこで、中に椅子を置いて その椅子の下側に足を折り畳んでいけばもっと深く浸かれるようになるのでは?
ついでにその椅子が、子供とか体の小さい人が入るときの足場にもなるんじゃね?
と、いう考えなわけで。

ただ結論から言うと、これはいらなかった。
せっかく作ったので記録として書きますがね。
詳しくは後で。

で、どういう構造にするかって所からですが。
まず、入る人の体格差を吸収するため 簡単に高さの調整ができるようにする事。
体重をかけても、風呂全体のバランスが崩れないようにする事。
なるべく省スペースで。
とにかく頑丈に。
と、こんな感じで悩みぬいた結果がこちら。

椅子兼足場

順番に書いてみますが、まずは鉄のアングル材4本を組みます。

アングル材

ホームセンターで売ってる、棚を組むための部品です。
夜間の屋外使用を想定しているので、視認しやすい白色で。
次に探したのがこれ。

棚用のステー

実のところ、上記のアングル材にちょうどピッチ(50mmピッチ?)の合うステーがなかなか見つかりませんで。
ようやく見つけた3本爪ステーの、真ん中の爪を切り飛ばして使用することに。

続いて、座る部分の板を調達。
ちょうどいい大きさの板が(本棚用として)売られていたので購入。
上記のステーを切って長さを揃えて、ビスで留めてこんな感じに。

本棚用の板

厚みが15mm位しかなかったので あまり長いビスを使えず。
でまあこれを先に組んだアングル材の枠にセットしまして。

セット!

これで簡単に高さ調整できるはず。
では、ドラム缶に装着してみましょう。

装着!

アングル材の枠がズレないように、底板に2個の木のブロックを追加。
ちなみに排水口はこの位置に。

安全

つま先をぶつける危険性を無くしていきます。

さて これでまあ一通りの準備ができたので、まずは実際に水を張って試験しましょう。

水漏れなし

こいつはワクワク感が凄すぎる。

なにはともあれ排水口は・・・水漏れ無し!

底板は・・・浮力がハンパないな、おい。

通常 この手のドラム缶風呂は底板がプカプカ浮かんでいて、それを足で沈ませながら入るのが常識。
それを踏まえて アングル枠で少し抑えてみたわけですが、そんなレベルじゃムリムリ。
これはもう固定するしかないです。

というわけで、ズレ防止の為に追加したブロックとアングル枠とを横からネジ止めしまして。

水漏れなし

収納の問題もあるので、完全固定ではなくある程度動かせるようにしてます。



そして最後に、最も重要なこれをやります。

アピール

“ゆ”!!

・ ・ ・ 。

まあそんな感じで加工は終了です。
あとは実践投入して、よりよい物に改良していくことになります。



そして夏!
とうとうドラム缶風呂がメジャーデビューする事となりました!

加工したドラム缶風呂本体とは別に用意する物は

・コンクリートブロックx4 : 風呂の下に敷いて水平を出します。
・水用ポンプ        : 圧倒的な水汲みの速さ。バケツリレーでも出来ないことはないが・・・。
・踏み台          : これは風呂の外側に置く足場。安定性重視で。
・バケツ          : こまかな温度調整、湯量調整に必須。
・スコップ         : 風呂下がブロック1個分の高さだけでは狭いので真ん中を掘って火床を広く取ります。
・火点け道具        : 火種とかふいごとか。
・小すだれ         : フタになれば何でもいいです。沸く時間や保温効果を考えるとフタは必要。

こんな感じ。けっこう色々必要なのです。

ではまあさっそく湯を沸かしてみましょう。
ブロック配置して、風呂のっけて、水汲んで、火を点ける、と。

ドラム缶風呂の自作

カメラそっちのけで準備に熱中していたので、写真がほとんどないというね・・・。
もう一枚のマトモな写真は反対側から撮ったもの。

ドラム缶風呂を自作した

そう、“ゆ”マークの反対側には温泉マークをペイントしておいたのです。
白いカゴのようなものが見えますが、ジュース・ビールや小物等を置くところです。

今年のお盆、大井川鐡道でトーマス号やジェームス号に乗った方、こんな物体に見覚えはありませんか?



では最後に感想など。

まあこれはヤバいですわ。気持ちよさが半端じゃない。
特に朝風呂!まだ周囲が霧でもやっているような状態で入る朝風呂は格別です。
他の参加者からも軒並み「GJ!」頂きまして、早くも「来年も」という予約まで。
正に大成功の一言です。
唯一残念だったのは、当日が雨模様だった事。
流星群どころか星空自体、ぜんぜん見えませんで。
まあまた来年のお楽しみですね。

そして技術面。
前述の椅子部分なんですが、入ってるうちにネジが取れて壊れちゃいました。
アングル枠の幅ピッチが微妙に違っていて、何度も乗るたびに接合部に負担がかかっていたのかなと予想。
さらに木がお湯でふやけてきて取れたのでないかと。
そんなわけで途中から椅子無しで入ってたんですが、これがどういうわけか より深く浸かれるようになりまして。
お湯を張った状態だと体に浮力が働くのでそのせいなのか、
カラの状態では不可能だった正座っぽいポーズすら可能に。
ラク〜に足を折り畳んで、肩まで浸かれるようになったんです、これが。
つまるところ、椅子は邪魔だった、と。
やってみないと分からない事って多いな。
とはいえ入るときの足場は必要なので、取り出し式の踏み台みたいなものを思案中。
それから写真でもわかるように、排水口をブロックの上に持ってきて直火が当たらないようにしたわけですが、
その甲斐あってなのかゴムパッキンは全く問題なし。

あと ネットでドラム缶風呂について色々調べてた時によく目にしたのが、
“ドラム缶のフチとか側面は熱くないのか?”“手でさわれるの?”って疑問。
経験者がキッチリお答えしましょう。
全く熱くないです。フチだとお湯より少し冷たいくらい。
直接火があたっている底の部分は当然熱いですが、その熱が側面まで伝わってくるよりも
密着しているドラム缶の中の水に熱が移っていくほうが早いわけです。
そんなわけで、ドラム缶側面は中のお湯とほぼ同じ温度かそれ以下の温度にしかなりません。
安心して入浴してください。



以上、ドラム缶風呂 初年度奮闘記でした。

ドラム缶風呂を作ってみた


また改良点などの記録を続けていく予定です。






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