ハイパーバズーカの製作1



毎年、お盆の時期に友人たちとキャンプに繰り出している管理人ですが、毎回何かしらネタを用意するのが自分の中の課題となっています。
去年はドラム缶風呂&ビームサーベル&ガンダムハンマー&ヒートホークを用意して臨んだわけですが、今年はどうしようか・・・。
まあせっかくガンダム武器シリーズを揃えてきたのだから、やっぱりハイパーバズーカも作らなければいかんだろう、という結論に達しました。

そんなわけで今年は ハイパーバズーカ を作ってみたいと思います。

で、今の時代 Google先生に聞けば大抵の資料はあっという間に揃うわけですが、ただ作るだけじゃ当然面白くもなんともない。
ここは一つ、実際に撃てるようにしましょう。
と言っても、もちろん実弾ではありませんで、せいぜいおもちゃのゴムボールを打ち出して、バッティングで遊ぶ位のところを目標にしましょう。

ただその場合、打ち出す動力源をどうするか。
まあ空気圧で打ち出すのが普通なんでしょうが、ボンベを背負って、なんてのはちょっと・・・。
筒内を真空に近くして、一気に空気を引き込んで打ち出す、みたいな方法もあるようですが、ん〜。
ピッチングマシーンみたいな高速回転ローラーで挟み込む、だとバズーカの形状にはそぐわないし。

まず自分の理想として、本体のみで完結すること。
単発打ち出し可。
手動リロード可。

・・・じゃあバネ射出式でいこうか。

とまあ消去法で決めたような感じになりましたが、正直なところ一番の問題は
自分の頭の中で“バネの力でボールを遠くへ飛ばす”というイメージが全くわかない事。
過去の経験上、このパターンはまず失敗に終わることが多いです。

実際、ネットで検索を掛けてもなかなか条件が厳しそう。
唯一、理想的だと思えたのが“テニスボールランチャーを作ってみた”で有名なあれ。
あれは素晴らしい・・・。

まあ何にせよやってみない事にはわかりませんな。
というわけでイメージをスケッチしたり大まかな設計を進めまして、 引きバネ方式で芯棒を引いてロック、トリガーで解放してボールを打ち出す、という構造に決定〜。

で何から手を付けようか、って事ですが、物理系の知識が絶望的な自分にとっては全くの手探り状態なわけで。
こういう時は、外観から入っていくしかありません。
外観を守りつつ、その中で実現できる最大値を取っていって、あとはなるようになる、と。

まずガンダムの全高が18mmということなので、まあだいたい1/10スケール位ですかね。
ここは主にプラモデルから割り出す方法が簡単です。
さらに今回はボールを打ち出すということなので、まずは百均をめぐって市販のゴムボールの直径をいろいろ調べてみます。
その結果、本体になる筒を呼び径65の塩ビパイプで作ることに。

ここで一旦、製作上のセクション分けをしてみます。



・先端部(ラッパ状の部分)
・前筒部(本体の前部分)
・中継部(径が太くなる部分)
・トリガー部(トリガー機構を詰め込む部分)
・グリップ部(グリップと先端部分)
・後筒部(射出機構を詰め込む本体の後ろ部分)
・後端部(本体の後端部)
・肩当部(後筒部下の肩当)
・弾倉部(マガジンの所)
・ハンドル部
・上カバー部

こんな感じでしょうか。多いなー。
しばらく百均とホームセンターの徘徊を繰り返し、なんとか目途が立ったので実際の加工に入っていきます。

まず最初の難関は水平出し。
会社のハイトゲージなど色々お借りして、とにかく水平・垂直の4本のケガキを。
この基準線がしっかりしていないと、バランスがおかしくなります。

次の難関はパイプのカット。
こんな大きな径のパイプカッターなんて持ってるはずもなく。
まあ組み方によっては断面が汚くても問題はないんですが、一応垂直に近いに越したことはない。
考えたのはパイプ固定金具をノコの刃幅分開けてこんな感じに二つ固定して、カットする方法。



なんとかうまくいったので、まず前筒部と後筒部を切り出し、予定した部品を仮組して
雰囲気を確かめてみます。



ん〜〜・・・大丈夫かなこれ。

次に芯棒。
とにかく真っ直ぐに突かなければ 飛ぶもんも飛ばんだろうってことで、芯棒をまっすぐ動かす方法を考えます。
芯棒に使うのは15mm角のアルミ棒。
これに卍型にキャスターを張り出して、パイプ内をまっすぐ進むようにします。
具体的にはこちら。



アルミ不当辺アングルを上写真のように加工して、そこに八幡ねじさんの“どこでもキャスターS”を貼り付け。
ただし両面テープでは心もとないので、皿ねじのツバをひっかけるように締めた後、強力接着剤にて固定。
これを8個作って、芯棒に固定してこんな感じ。



多少の調整は必要なものの、かなり自由に動きます。
ところでこの芯棒、軽いほうがいいのか重いほうがいいのか、どうなんでしょうか。

続いて装弾ハッチを。
用途を考えると、砲口を下に向けた時にボールが転がり落ちるようでは興ざめ。
となれば、傾けてもズレない程度にはボールが固定されてないといけないわけで。
問題はその固定加減。
棒で突くという構造ならば、このボールはある程度きつくホールドされているほうがいいのか?
それとも緩いほうがいいのか?

まあきつくするのは後からでもできるだろうという事で、ギリギリ緩めの設定で進めることに。
とりあえず、前筒部の一部を半円状に切出します。
切った部分を蓋にして蝶番で開くようにするため、位置を合わせて穴をあけます。



切り出した部分は 当然のごとく縮んでくるので、外径はうまく合いませんね。
とりあえずホールド具合を確かめるために フェルトのシールなどを貼ってみて、様子を伺います。



果たして このボールの位置でいいのかどうかさえ分からず。
普通の銃器(圧力で弾を飛ばす物)なら、銃身が長いほうが弾が安定する、飛距離が延びる、などのメリットがあるんでしょうが
今回の場合はデメリットの方が多いような気がします。
本当はもっと先端に近い位置のほうがいいのかも。
このへんは、いろいろ実験をしてみないと何とも言い難い。

とりあえずこのまま進めるとして、次は蓋を固定・・・の前に、雰囲気を見る為にちょいと筒を白く塗装してみます。
で、蓋を固定。



無骨にリベット止め。
反対側はパチンと止めるアレ。
ここからボールを入れるわけです。

それから、肝心な打ち出し用のバネについて。
前述の“テニスボール〜”の製作者さんは押しバネを使用していました。
しかし今回のようなバズーカ形状に当てはめた時に、どうしてもトリガー部分のロック構造が思いつきませんで・・・。
まあそれで引きバネ+芯棒突き出し方式にした、というのが正直なところ。
で、見つけてきたのがこれ。



数字的な部分がわからないので、感覚+寸法での選定。
まあとりあえずやってみましょう。
てなわけで、簡易的なテスト装置を作ってみます。



バネ長さ300mmで最大延び長さ485mmとの事なので、180mm引き想定で実際にボールを打ち出してみることに。

・・・。

まあ写真はないんですが、良くも悪くもなく。
ボテボテと玉が転がっていくパターンが多かったんですが、芯をとらえたような時にはスポーンといい音させて数メートル飛んでくことも。
おお、これはもしや・・・。
とまあこれで全然ダメダメならば新しい構造を考えたんでしょうけども、なんとなく希望のある飛び方だったので とりあえずこのまま進めることに。

次に本体の筒の方にバネやらなんやら固定するための穴をあけたいわけですが、さすがに塩ビパイプに直接、ってのは耐久性が怪しいところ。
そこで中継部の所をストレートのジョイントにして、肉厚のあるこの部分に固定穴を集中させよう、となりまして。
そのジョイントに穴等の加工して、前筒部に接着してしまいます。



おお、なんかちょっといい感じ。

そしたら次に、芯棒にストッパーをつけます。
これは弾を打ち出した後の出すぎ防止ストッパーの事。
これがないとバネの外れや各部の損傷につながります。
まずはアルミの削り出しでこんな部品を2個用意。



中央の穴(加工用)を除けば、形としては全く同じものです。
次に芯棒の方を、写真の赤丸のように切り欠きます。



そこに先ほどの部品2個を取り付け。



こんな感じに。
そしたら本体側にバネを仕込んで、このストッパーを受けるようにします。



受ける部分はワイヤーで。
分かりづらいので、砲口側から。



今度は長バネを筒に固定します。



この位置に。
しかしこの位置だと後筒部に当たってしまうので、後筒部のその部分だけ切り欠きます。



そして芯棒側にも長バネの取り付け部を用意します。



何枚か前の写真の青丸部分。
ここを2枚のプレートで挟み込んで、その両端にバネを固定します。
と、ここまで組んだ状態の写真がない・・・。

まあとりあえず、これで撃てるようになったので試射してみることに。

・・・。

これまた写真はないんですが、何というか、

飛  ば  ね  え

飛距離にして2mというところか。
まだ試射の段階とはいえ、ここからどうがんばっても5mさえ超えられる気がしない・・・。
大幅な設計変更などしている時間はないぞ・・・。


・・・夏は近い。

どうする・・・?!




続く!






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